sound sepher's PASTIME

ゲーム開発で思ったことや、趣味などの話を書き綴っていきます。

ゲーム作りは時間と根気が必要

 などとそれっぽいタイトルにしましたが、Twitterでも書いたことのまとめなおしです。あんまりまとまってないですけど。今回は素材作りの話題がメインです。

 いま作っているスマゲビ用ゲームと箱庭セレナータは、明確な目的のもと作っています。スマゲビゲーは「一切素材を自作せず作ったらどのくらいで完成するか」。箱庭セレナータは「持てる時間とアイディアをすべて注ぎ込んだら何年かかるか」。

 ちなみにスマゲビゲーは90%完成しているのですが、だいたい2週間。箱庭セレナータは完成度50%で5年くらい。やばい。

 ゲーム作りはちまちまとしか進んでいかないので、諦めない根性と執念が必要になってくるなーというのが、まず結論。

作るものに限界はないけど時間は有限

 時間をかければある程度の質にすることは不可能ではないです。たくさんの人に見てもらったり、ある時間を注ぎ込んで質を上げていけば、割と見れる程度にまでは行けるみたい。

 でも、ひとつのゲームに数年かけてしまうということは、その人の作品はその数年でひとつしか出ないということなんですよね。それで構わないなら良いけど、その期間、その人は(ほぼ)存在しなかった扱いになってしまう。

 もしかすると時代が変わって、ツールがOS非対応になってしまうかもしれない。作り続けていくほどに過去の遺物になるかもしれない。他者の作品が自分が考えたアイディアを先に使ってしまうかもしれない(考えることは皆一緒)。それらに遭遇したり、遭遇する可能性に怯えながら作り続けていくことになる。

 作れるものに限界はないけど、物理的・精神的な限界はある、ってことかな~と。

 ほんとうに自己満足が目的の趣味だったら、そんなことどうでもいいと思うんですけど。遊んでもらうことを考えたら…。

素材作りは時間が果てしなくかかる

 ノウハウがないところから始める場合、使いやすいツールはどれか、作りやすい方法は何か、いろんなことを模索しながらやっていくことになります。

 ドット絵にしろ、ゲームエディタに最適化して、効率よく、うまく表示できるチップを作るには、エディタの仕様を完全に理解しないと作れない。

 立ち絵にしろ、ルールを何も決めずに依頼すると実際にゲーム画面に落とし込むときに苦労する。

 デザインフォーマットを何も考えずに作っていくと、最終的に全部作り直しになる。

 ちなみに作り慣れ始めた去年年末に時間をとってじっくり作り込んだ箱庭セレナータですが、チップ10000パーツを作るのに2ヶ月、UIワイド化に1ヶ月、スクリプト部のシステム修正に1ヶ月かかっていて、それでもまだ素材が足りないという状況。

 「見た目の違うマップを数種類以上作る」=「短編数作分の物量になる」と思って良いです。

 これが多人数でドットチップを作ることになったら…キャラ絵担当が複数人になったら…UIデザイナーが分担することになったら…。ノウハウ共有、クオリティバランスを保つために何をする、そういう問題が追加されていくことでしょう。

質を上げれば上げるほど、大量生産に不向きになる

 例えばマップパーツ。最終的に一人の人間がイラストを書いて、そのままゲーム中に落とし込むのがクオリティ的には最高なんですが、そのフォーマットでマップを作る=その人に頼りっきりになる→複数人で作る→絵柄のバランスをあわせるには……? 個人規模で作るには無理がある状況になっていきます。

 それに、いちど決めてしまったらレベルデザインができなくなるので、トラブルを避けるためにマップギミック的な要素を避けて作ったほうが完成する確率が上がる。単純なマップにせざるを得なくなる。単純なマップで問題ないゲーム内容にする必要がある。設計に関わってくる。

 既存チップでマップを作ったら、その上に手作業で書き足す…という手法も、若干難易度は下がるけど同様の問題をはらんでる。一度試しに作ってみましょう。そして、その作業をすべてのマップで行う気合と根性はあるか? 自分に問いかけてみましょう。

 自分の場合はこれから、ドット絵1万パーツ+αを組み立てて更に上から軽く修正することを想定しているのですが……気が遠くなりそう。

 個人規模で作れるものの限界値を学びましょう

それらを想定して、じゃあ何を作るか

  • 作れるものに限界はないけど、物理的・精神的な限界はある
  • 「見た目の違うマップを数種類以上作る」=「短編数作分の物量になる」
  • 質を上げれば上げるほど、大量生産に不向きになる

 結局のところ、実際作ってみないとわからないなぁといった趣があるので、実際作って痛い目を見るのが一番よさそう。もちろん一人で。

 なので、めちゃめちゃキレイなゲーム画面が作れて、かつ面白くて、複数作品作れてる人は、たぶん神です。普通の人が見つけられないものを見つけた人です。God Like。

 個人的には、初めてゲームを作る人が考えたゲーム内容は、その1/10作りきれれば御の字かなあ……って思います。いや、ほんとうに。

補足

 僕は音楽畑の人間なんですが、こうしてゲームを作りながら思ったのは、1日に10曲くらい作りたい……ってことでした。1日1~2曲じゃ遅すぎだなあ……と。音楽は効率が悪いなあ。なんとかうまい解決方法を探したいところ。