【雑記】RPGを個人で作るための4つのノウハウ(+アドバイス10点)
箱セレで経験した問題を踏まえて、RPG個人開発において「これだけはやってはいけない」「これをやるならこうしよう」という要素をザックリまとめておきます。すべて僕の失敗経験を通したノウハウなので、これからゲームを作る人、今作ってる人も、よかったら参考にして頂けたら幸いです。
目次
1.マップ作りに凝りすぎるな
RPGツクールやウディタで作るなら、デフォルト素材やフリー素材、販売素材でなんとかしましょう。確かに見た目は量産型になるかもしれませんが、そこにこだわると、作業量が倍々に積み重なって、終わらなくなります。僕の場合はボツ・試作込みで最低でも40000パーツ作りました。
もしオリジナルのゲーム画面にこだわりたいなら以下を守ること。
- レイヤーを使わない。1レイヤー範囲内で作れる仕様にすること。
- マップを絵で表現するならとにかく流用できる設計にすること。
- ドット絵でもバリエーションを作らず、流用できる設計にすること。
2.人形劇はコスパが悪い
なるべく紙芝居にしましょう。キャラを動かすのはデバッグでかなり苦労します。いちいち計算しながら何十個、何百個とイベントを作っていくのはキツイです。1イベント作るのに何時間かかるのだろう?
3.パラメータ管理は適当にやるな
自力で入力する要素を極力排除すること。
敵モンスターを100体、200体と作る段階でデータ的な個性付けをするのに、基準を設けましょう。
最低でも、基本パラメータを設計すること。何百体とパラメータを入力し続けるのは苦痛ですし、バランス調整する際、ある程度全体をオートメーション的に調整できる設計にしておかないと、いちいち関連する値を数百体ぶん書き換えることになります。
敵の行動パターンも同様。設計をある程度しておかないと、何百パターン、何千パターンと自力で書き込んでデバッグすることなります。
解決策は、個性パターンをあらかじめ設計して、敵の強さにあてはめて、その上から少し人間味をつけるといった調整をつけることかなと、現時点は考えています。
4.作り手の人的リソースは一番重要な箇所にだけかけろ
コンシューマRPGに出てくる要素を一人で作ろうとするのは避けるべきです。あれらは複数人が同時に並列で作業することで製作スピードを上げているので、一人で直列作業しようとすると、つまり作業負担が倍々ゲームになっていきます。
とにかく設計段階で、あらゆる要素を自動化しましょう。PCが計算して結果を出せる事項は、ぜんぶプログラムに任せましょう。
それができないなら、一度事前にバランスを取って、決め打ちして作りましょう。人間は絶対にやらなきゃいけないことだけやればいい。
5.今後ゲームを作りたい人向けのアドバイス
- 一人で作るなら、とにかく一点突破型を作ること
- 「作ってます」と公に発言するのは、動くゲームを見せられるようになってから
- 個人制作ゲームは短編で十分に需要を満たせる
- お金をかけるならキャラクターイラスト
- 皆が「おおっ」と言うのはイラスト。見える要素が一番伝わりやすい
- コンテスト向けのゲームは、ストーリーとキャラクターに集中すること
- どこに投下するにしろ、システム重視のゲームはウケが悪い
- リアルイベント展示では、アクションゲームやSTGのほうがウケがいい
- 動画映えするポイントと、静止画映えするポイントを意図的に作ること
- 本当に作りたいものを作るなら、生活に負担をかけない範囲で、趣味でやろう
6.まとめ
割と周囲から心配されつつ開発を続けてきましたが、実は17年8月に操業資金が底をついて、廃業寸前の地獄を味わいました。今は運良く様々な方に助けて頂いて完全回復しているのですが、やっぱり精神的にかなりキツイというか、必死になりすぎて周りが見えなくなってしまい、よりマイナス方向に落ちていくので、余裕をもってやるのが良いです。
そのためには(良い意味で)手を抜くこと。がんばりすぎないこと。やりたいことだけをゲームにすること。要素を増やさないこと。一極集中して、短期間で仕上げること。
時間=お金です。とにかく時間をかければかけるほどキツくなっていくので、手早く仕上げられる設計をあらかじめ考えて、ゲームを作りましょう。それに尽きます。
僕自身も、次はもっと簡単に作れるものを作る予定です。やりたいこと以外は全部自動化しようかなーと。そう考えてます。
一言で表せば、「無理すんな!」というわけなのでありましたとさ。
【雑記】やっとゲームをリリースできました、という苦労話
長かった、4~5年作ってた気がする。まだ終わってはいないけど。作ろうと志して10年かかりました。ちなみに挫折履歴とやりたかったことは下記。
挫折履歴
- 2008年 プログラマと共同制作、連絡が取れなくなって挫折
- 2009年 プログラマと共同制作、最終的にうやむやになって挫折
- 同年 他人と組むのを諦めてツクールVXで組み始めて、理解できなくて挫折
- 2011年 会社を辞めて独立、ツクールVXAで組み始める
- 2012年 ↑スクリプトの理解度の問題で挫折
- 同年 ウディタで組み直し始める
- 2014年 ついに箱庭セレナータ体験版までこぎつける
- 2018年 悪戦苦闘の末、やっと本編ひとあそびverリリース
やりたかったこと
- 3DダンジョンRPG作りたかったのに、いつのまにか2DRPGを作ってた
- 2Dやるなら本格的な昔ながらのRPGが作りたい
- でも、見た目は今風な感じにしたい、キャラ絵とか
- 女性にも遊んでもらえるような見た目にしたい
- レベル上げしてもしなくてもクリアできて、RTAもできるやつにしたい
- ジョブチェンジ、スキルシステムを自分なりに読み解いたものにしたい
- 何度も遊べる作りにしたい
苦労話
音楽の仕事していて、どうしてもミスマッチ感をかんじていたというか、他の人とのズレをすごく感じてました。
音楽ってゲーム開発とはだいぶ切り離された独立した分野で、最終的には生演奏・ライブ・スタジオで収録なんかの、完全に音楽音楽した方向に行かざるを得なかった。
みながそっち方面にどんどん進出していくなか、「あれっ、僕はゲームが作りたかったんだけどなぁ」「これ、違うな…」っていう思いがすごく強くなっていって。求められることとやりたいことのズレをどんどん強く感じるようになっていったのでした。
そのズレを解消するために、開発人数の少なく、より深く介入しやすい個人制作ゲームの仕事を受けたりしつつ、お仕事で得た収入をゲーム制作に投入していった、というのが独立してからの自分なのでありました。
かといって投資者からお金を募って作ると、僕のゲームではなくなる。お金を出した人が一番偉いし、権利はそこへ行ってしまう。僕が考えたものなのに僕が関われなくなる可能性が1%でもあるなら、それはイヤなので。プログラマと組んだら、僕自身の成長がない。プログラマがいなくなれば、僕はゲームが作れなくなる。
なので、当時30歳っていう微妙な年齢ですけども、ゼロからやり直すことにしました。つまり「自分でも扱えるエンジンを探して」「一人で作る」。
XNA、Flash、C++、C#、いろいろ探りましたけど、プログラムのプの字もわからない僕には全然ダメでしたね。ツクールもスクリプトいじりまで行くと、途端にわからなくなる。
けっきょく永い挫折を経て、ウディタに辿り着きました。これなら動かせると。
あとは実際にドット絵を自分で打って、UIを手探りで作ってを繰り返しながら、どうしても作れないイラスト周り、エフェクトを他の方に手伝って頂くことにしました。
エンジン部を(ゲームが作りたい奴が)自分でいじれるなら、ゲームは完成できる。
永らく抱えてたミスマッチ感を、これでようやく解消できた気がします。音楽の仕事は音楽の仕事。ゲーム開発はゲーム開発として切り離すことで、ピントをあわせることができた。
思ったこと
めっちゃ金がかかる。生活費です。ゲームを作ってる間は無収入なので。個人制作はちびちびとしか開発が進まない。結果、時間が半端なくかかる。一時期、貯金が底をついて、こいつはまずいな…と思ったこともありました。お金がないときの精神的重圧はやばいです。
働きながらゲームを作るのは、かなりしんどいですね。
今後の目標
これからやるべきことは、すこしでもいいからゲームで収入を得て、ゲームを作りやすくすることかなぁ…と。
あと、ゲームの開発速度を上げること。時間がかかりすぎるのはキツイ。半年にひとつくらいのペースで出せるくらいのノウハウを作りたい。時間かかかると、お金もかかるので。
だいたいそんな感じですね。ひとまず、今思ってることを記録に残しておきます。
【ツクール・ウディタ・スマビル向け】oggファイルにループメタデータを書き込むラクな方法
というわけで、今回は自分用のメモです。PC移植のときに設定方法を忘れて悩んだので、備忘録的に。
ツクール発祥のメタデータ「LOOPSTART / LOOPLENGTH」
サンプル単位でループできる便利な仕様のコレですが、oggにメタデータを書き込むのって、ちょっと面倒。SuperTagEditorでは指定されたメタデータしか埋め込めないですし。
foobarやいくつかの他のツールでも行けるんですが、「リスト化してループを取れない」という面倒さがあります。ファイルをひとつひとつ、専用のウィンドウを開いて手打ちしていく…めんどくさい!
MP3TAG - コピペ一発埋め込みできる便利ツール
それを解決するのが、MP3TAGです。あらゆるサウンドファイルのメタデータを自由に設定し、書き換えられる便利ツール。
使い方
言葉で説明するより図で見せたほうが早いので、サンプルをのせます。
左側が「タグパネル」、右側がリストです。
ポイント
カラム側はリストのカラム部分で「右クリック」→「カラムの表示項目を編集」でいけます。名前はカラムの表示名、値とフィールドは必ず上記のように入力してください。小文字にすると、ツクール・ウディタ・スマイルゲームビルダー側では認識しません。
というわけで、ループポイントを取ったら、その値をそのままメタデータにコピペすれば一括参照・即登録できるようになる、mp3tagの紹介でした。
洋RPGに興味をもっている昨今
あとあと忘れないように備忘録に。
ゲームを作っていて、やっぱり既存カテゴリ内でものづくりをしていると、「知っている範囲内でちょっと仕組みを入れ替えたもの」しか作れないな~という感じがしていて。
もう少し視野を広く取っておいたほうがのちのちのためになるであろう。と思って、色々調べ回った結果、「洋ゲーが面白そう」と。
もちろんオブリビオンとかスカイリム、Fallout3やNVなんかは遊んでたんですけど、それ以上調べようとしてなかったんですよね。なので、調べ直しました。
洋RPGには大別してオブリビオン型とバルダーズゲート型とディアブロ型がある
一人称視点でも三人称視点でも構いませんがオブリビオン型と、アイソメトリック(見下ろし型)視点でシミュレーション風戦闘のバルダーズゲート型、ガチアクションのディアブロ型がある様子。
オブリビオン型とバルダーズゲート型は、たぶんウルティマ7の影響がかなり色濃いのかな。突き放されてる、時間の概念、クエスト請負型という部分で共通していて、オブリビオン型は戦闘がアクション。バルダーズゲート型はそれにD&D要素を強く足したシミュレーション風戦闘が加わって、高難易度の戦闘を工夫しながら打破していく…という形式なのかなーと。
ディアブロは突発的に生まれたようなイメージがあるんですけど、あの考え方は一体どこからきたんだろう。またおいおい調べたい。
確かに洋RPGにはターン戦闘のシステムがほとんどない
そのかわり、リアルタイム戦闘中に一時的に時間停止して仲間に命令するという、和RPGだとFF12(に近い)を想像すると理解しやすい仕組みが導入されてるみたい。
バルダーズゲート、ドラゴンエイジ、ピラーズオブエタニティ的な、あのあたりで使われてるルールの様子。ルールの元ネタはD&Dみたい。
ターン戦闘は古いと言われて久しいですが、なるほど海外ではリアルタイム+ターン戦闘の間の子がメジャーなのかと。マイトアンドマジックも6あたりからリアルタイムとターン戦闘をオンオフで切り替えられるようになったらしいですし。
日本と大きく違うのは、距離の概念やマップ環境を利用した戦闘っていう要素がかなりフィーチャーされてるところなのかなあ。まだ実際にバルダーズゲート型のゲームを遊んだことがないので、このへんはちゃんと触ってからかな。
いま気になってるゲーム
ピラーズオブエタニティ
キックスターターで416万ドル集めたモンスタータイトル。バルダーズゲートの影響を色濃く受けたタイトルで、D&D風戦闘システム、敵リポップなしなどの仕様も共通。
レビューを見回った感じだと、バルダーズゲートより若干マイルドになってる…みたいな話が出て来るけど、どうなんだろう。
公式では日本語対応してないけど、有志が日本語化パッチを作ったらしいのでばっちり日本語で遊べるみたい。
ディヴィニティ オリジナルシン
すでに2がリリース済み。日本では去年、1の日本語版がリリースされたとか。こちらは洋ゲーあるあるのクエスト目標位置表示がなく、自分の足で情報を集めて、推測して攻略する、バルダーズゲート型のなかでもガチな部類のタイトルの様子。めっちゃ難しいらしい。
バルダーズゲート エンハンスドエディション
13年頃にリメイク版が出たんですね。すごく難しいと聞くので、先にピラーズオブエタニティを遊んでからのほうが良いのかなぁ…などと考えつつ。
1は公式で日本語対応していて、2はパッチで日本語対応可とのこと。しかし、日本の洋ゲーマーの翻訳能力はすごい。
マイトアンドマジックXレガシー
3Dダンジョン探索RPGに、その場で戦闘する仕組みが加わったマイトアンドマジックシリーズの新作。ウィザードリィとウルティマはブランド的な血脈はほとんど止まってますけど、マイトアンドマジックは直系とストラテジーのヒーローズで続いてるんだなあ。
バルダーズゲート型と違ってキャラクターの立ち位置が同じグリッド内なので、タンクを前列に立たせて防御を引き受けて後列から魔法…みたいな戦闘はできないみたい。
補記
もうずいぶん前の話になりますが、ウィッチャー3、ドラゴンエイジインクイジションが面白すぎてびっくりしたんですよね。
最近だとホライゾンゼロドーンも凄まじかったですが、2013年以降、PS4にシーンが移ってからあたりのタイトルは調べた限りハズレ無しみたいなので、趣味兼勉強用にバルダーズゲート一派もあそんでみようかな~と考えてる…という今日このごろなのでした。
話の作り方(ゲーム用・現時点でのまとめ)
話作りは素人なんですけど、素人なりにいろいろ調べたり、スマゲビで実際に作った結果をもとに、こうすると組み立てやすいのかなーみたいなことをまとめておきます(つまり、自分用です)
物語は世界観ではなくキャラが語る
いくら複雑で細かくて素敵な世界観を作っても、そのなかで動くキャラがいないと世界観が役に立ちません。
そして、物語中でその複雑な世界観をすべて説明しきれるかというと、たぶん、ほとんど説明できないです(強引に説明しようとすると、ほんとうに説明テキストになって読まれないであろう)。
物語、ドラマはキャラとキャラの絡み合いで生まれていくもので、会話(orコミュニケーション)なくしてストーリーを先へ進めることはできないなーと。
世界観に理屈をつけていくと、すごくつまらなくなりがち
例えば、閉鎖世界の館に閉じ込められた主人公たち、というストーリーだったとします。
なぜ外に出られないの? この館はどこにあるの? 呪いで出られないなら、その仕組みを物理的に語れる? 館の周りに住んでる人は、この館を怪しいと思わないの? この館の近辺で何人も行方不明になってたら、国が介入するよね? みたいなツッコミを作りながら理屈付けしていくと、どんどん言い訳じみた設定が増えていきます。
嘘を嘘の上塗りでごまかしていくというか、やればやるほど矛盾が出てきて、言い訳を考えてるうちに作ってる側が冷めていく…というような感じで、(舞台は違いますが)なんども作り直した結果、得た結論は下記。
「説明を省く」or「設定を作っても、あえて説明をしない」
神様の存在を理屈付けて説明したり、存在を立証しようとしたり、幻の大陸アトランティスの存在を論破したりすると、ロマンが消えてしまう。ふしぎはふしぎだから魅力的なんだと。
推測程度の設定はつけておくべきだと思うのですけど、世界観のすべてを説明しきれるくらい理屈立ててしまうのは、よほど技術力がある人じゃない限りはやめたほうがいいのかなーと。
物語の長さはキャラ数で決まる
主に、メインキャラを増やせば増やすほど、そのキャラを描くために割く時間が増えるので、物語が長くなります。
ゲーム1時間程度の短編なら、細かくキャラを描けるのは1人だけであろうなーと作っていて思いました。
思い出せば、アニメも第三話までで世界観と目的を説明して、9話くらいまで(適当)はアニメ世界の登場人物、新キャラや仲間一人ひとりを軸に話を展開させていくものがあるよなーと。
マンガも、例えばダンジョン飯なんかも、1話ごとにメインキャラを軸に話を描いてた記憶があります。
つまり、物語はキャラが多ければ多いほど、全体の尺が長くなると。1時間で1人しかキャラを描けないと仮定するなら、総プレイ時間で逆算すると登場キャラ=物語の長さが出て来るのではないか……と推測しています。
そこで思ったこと
ふとあるあるな舞台で、「絶海の孤島で起こる殺人事件」「絶海の孤島にある監獄」みたいな、「孤島」ベースの世界観づくりって、外界から隔絶されている=外界を語る必要がない=孤島内部で普通とは違う常識があってもそこまで矛盾しないのかなーと。
山の奥、絶海の孤島みたいな、人が寄り付かない場所を舞台にすれば、異空間みたいな露骨な設定よりもナチュラルにまとまるよな~、っていう程度ですが。
構成のやり方
序盤で大きなイベントを用意して、中盤まではメインキャラを個別に立ててどんなキャラなのか伝えたら、中盤で大きなイベントを用意して、後半は一大事件をみんなで解決する……というのがざっくりとした基本構成なんでしょうか。
言われてみれば、FFシリーズの6なんかはこんなまとめ方だったなぁ。これを前提にアニメやマンガやラノベを読むと、意外ときれいに型にはまって、そのなかでどうきれいでおもしろい作り方をしてるのか、みたいのが見えてくる……ような気がしています。
まとめ
あくまでも勉強中なので、これで別にストーリー作りがうまくなるわけではないし(結局作らないとうまくならないのは事実)、これが正解とは限らないし、最終的にはカンになるのは見えてるんですけど、全体をまとめる上での指標を作らないとなかなか作っても作っても終わらなくなりがちなので、もう少しこのへんを突き詰めたいなーと考えています。
あとは色んな作品をサンプリングしてどんな作り方をしてるのか、よく見ることなのかな~、どうなんだろう。
ゲームのカメラで気になるところ
3Dでゲームを作ってみてすごく感じたんですが、カメラの扱いって悩みますね。なにに悩むかというと、カメラ一発だけでも心情や演出がガッチリ表現できること。あと、2Dで作るときは思い至りもしなかった、「どこにカメラを置くか」という問題です。
カメラ一発で演出できる(でも相当むずい)
まずゲーム上でカメラを動かすって、そもそもエンジンにそういう機能が搭載されていて、かつキャラクターをリアルタイムで眺めながらカメラ回さないとすごくやりづらいんですよね。昔のゲームってどうしてたんだろう。コンテ切ったあと、意図にそうように距離計算したり予測しながら作ってたんだろうか。そうだったらすごく大変だ。
スマイルゲームビルダーの場合、キャラがカメラ演出中に表示されないので、キャラが居る位置を想像しながらカメラを動かすことになります。もちろんテストプレイで何度も意図通りの位置にキャラがいるかどうかチェックしながら作るんですけど、これかなりやりづらいんですよね。でも実装する上で、これ以上作りやすい案を思いつかないので、これで(他のエンジンも)作ってるのかな~。
2Dとの違い
RPGの2Dって、カメラ完全固定にせざるを得ないので、カメラは可視範囲程度しか影響してこなかったんですが、3Dだと手前に物体があったらすごく邪魔になったりとか、けっこう苦労するんですよね。2Dで可視範囲調整できないのは苦痛だったんですが、3Dだと調整できる代わりに物理的に見えなくなるという問題が起きるというジレンマ。
邪魔なオブジェクトをイベント開始時に消すみたいなこと、やりますよね。プログラムレベルからいじれるとしても、どの距離のものを自動で消すとか不可能ではなさそうだけど、マップエディタ上であらゆるものを計算しないと、なにかしら残ってしまうだろうしなあ。
2Dでは可視範囲でゲームが変わる
見下ろし型のRPGで顕著ですが、画面1つで見える範囲が変わると一気にゲームの雰囲気や、一度に見える情報量が変わります。可視範囲の判断基準がなかったらどうするでしょう?
ツクールなどは従来は完全固定1マス32x32pxの解像度640x480pxのようにフォーマットが決まっていたので、ゲーム画面の可視範囲も決まってましたが、最新のツクールやウディタは、ほぼその制限が取り払われたので、自分でルールを決める必要が出てきました。
昔のRPGは可視範囲が狭いのを利用して迷路を作ってましたが、高解像度で1マス基準が32px、40pxだと可視範囲が広すぎて、同じ思考回路でマップを作ると迷路になりません。それどころか、情報量が多すぎて邪魔に感じるほどになってきます。
過去の仕様と現在の仕様の整合性をどう取るか、そもそも過去の仕様を切り捨てて同じ考え方をせずに作るか、など取捨選択が必要になってくるでしょう。
過去の仕様は過去の時代にあわせて作られている
今、昔と同じやり方でゲームを作ろうとしても通じないです。昔みたいなゲームを作りたいなーと、今のフォーマットで作りはじめるといろんな箇所で違和感と不整合にぶつかります。昔風のゲームがそれっぽく動いてるのは、開発者が研究して今の仕様にあわせた結果なんだなーと。
じゃあいま作るならどう作るかな~、と考えるのが、カメラにしろ何にしろ、健全な作り方になるのかな…と感じてるのでした。